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中古マンション経営を選ぶメリットとデメリットは?物件選びのポイント

公開日: 2024.05.02

最終更新日: 2024.05.10

築後1年以上が経過した、もしくは過去に誰かが1度入居したことがあるマンションを中古マンションと呼びます。
中古物件は新築よりも価格が安く、利回りも高くなりやすいので、マンション経営の選択肢として中古を選ぶオーナーも少なくありません。

 

一般的に築後5年以内の中古マンションは築浅物件として扱われ、築古物件より価格は高めですが建物が真新しく設備も充実している事が多いため、比較的入居者を集めやすい特徴があります。

また、築年数以外にも、立地条件、修繕履歴など確認すべき事項は多くあるので、ポイントを抑えておくことが大切です。

そこで本記事では中古マンション経営を選ぶメリットとデメリット、物件選びのポイントについて解説します。

目次

1. 不動産経営で中古マンションを選ぶメリットとデメリット

1-1.中古マンションを経営するメリット

1-2.中古マンションを経営するデメリットやリスク

2. 不動産経営に適した中古マンションを選ぶポイント

2-1.実際に物件を見に行く

2-2.設備の修繕状態を確認する

2-3.利回りの高さに惑わされない

2-4.周辺環境をチェックする

2-5.物件情報はこまめに確認する

3. 不動産経営には避けたほうが良い中古マンションの特徴

3-1.耐震性や構造に問題がある

3-2.周辺の需要に間取りが適していない

3-3.事故物件に該当する部屋がある

3-4.運用後の売却が難しい立地にある

4. 中古マンションの賃貸経営は物件選びが重要

 

1.不動産経営で中古マンションを選ぶメリットとデメリット


不動産経営で中古マンションを選ぶ場合、価格が安いなどのメリットがあります。

一方、メンテナンスコストが多くなりやすいなどのデメリットやリスクも少なくありません。    

実際に購入するときは、新築物件との違いもよく理解して、判断することが大切です。

1-1.中古マンションを経営するメリット

新築マンションより購入費用を抑えやすい

中古マンションは新築マンションより初期費用を抑えられる分、投資回収率が良い傾向にあります。

また、築浅マンションでも中古価格で割安に購入しやすく、新築物件より利回りが高い物件も多いことも魅力の一つです。

空室が目立っているような築古マンションであっても、リフォームやリノベーションを施して真新しい状態に刷新すれば、高い入居率を維持できる可能性もあります。

物件の管理状況や空室率を確認のうえ購入の判断ができる

すでに賃貸物件として扱われている中古マンションであれば、経営プランを立てやすいでしょう。

物件の管理状態や空室率など現在の状態が確認でき、さらに過去のデータも参考にできるためです。

購入後の収支、利回りなども大体のイメージがつかめるので、想定外の事態を防ぎやすくなります。

購入後すぐに家賃収入を得られることがある

中古マンションの中には、入居者がまだいる状態で売りに出されている「オーナーチェンジ物件」と呼ばれるものもあります。

オーナーチェンジ物件は、前のオーナーから賃貸借契約を引き継ぐ形で購入するため、入居者がいる状態でマンション経営が始められます。

入居者がいる状態のマンションを所有できれば、物件購入後すぐに家賃収入を得られるので、収入の目処がつきやすいでしょう。

1-2.中古マンションを経営するデメリットやリスク

新築マンションに比べてメンテナンスが必要になるまでの期間が短い

築年数が古いと、すぐに大規模な修繕が必要になる場合もあります。

外観では判断できない部分が劣化しているケースもあるので、建物の見た目が綺麗でも安心できるとは限りません。

たとえば給排水管、電気配線、基礎部分などは目に見える箇所にはありませんが、もし劣化・損傷していれば、建物に大きな影響を及ぼします。

物件によっては家賃下落のタイミングが早く到来する

一般的に賃貸物件は築年数に比例して家賃も下がる傾向にあります。

そのため、多くの年月が経過した中古マンションは、新築マンションに比べて購入後から賃料の引き下げを行うまでの期間が短いこともあるでしょう。

家賃下落が早く到来すると、想定していた収益を確保できないリスクもあるので、慎重に考えなければなりません。

想定よりランニングコストが高くなる可能性がある

築年数の古い中古マンションは新築マンションに比べ、設備の修理費用、維持管理費などの経費が発生しやすくなります。

設備が老朽化し、大規模修繕の時期が近づいているケースも多く、管理費や修繕積立金も高くなりやすいので、ランニングコスト増加の要因にもなり得るでしょう。

また、新築と違い、法定耐用年数の残り期間が少ないため、減価償却による節税効果が期待できない場合があります。

購入時は高利回りが期待できる物件であっても、ランニングコスト増加によって、将来的に利益が減少するケースもあるでしょう。

なお、マンション経営のリスクと対策は以下の記事で解説しています。

 

>>関連記事:マンション経営における8つのリスクと対策|正しい把握が成功のカギ

融資の面で制約が多い

マンションやアパートの一棟経営を行う場合、物件自体の購入に多額の費用が必要なので、自己資金のみでの購入は難しく、多くの方が金融機関から融資を受けて購入します。

しかし、中古マンションの場合、購入価格が新築と比べ安価な反面、新築マンションや新築アパートよ融資の条件が厳しく、審査も通りにくい傾向があります。

ローンの返済期間が制限されている場合があるので、高額の頭金が必要になったり、必要な金額を調達できなかったり、毎月の返済額が想定以上に大きくなり手元資金が減少したりするリスクもあります。

収益物件や投資物件を扱う不動産投資ローンでは、住宅ローンとは異なり、年収、勤務先など自分の属性だけでなく、物件の収益性や事業計画なども重視されます。

また、日銀の政策金利の動向も見ながら、月々の支払いがどの程度になるか、しっかりとシミュレーションを行ったうえで判断することが大切です。

2.不動産経営に適した中古マンションを選ぶポイント


中古マンション物件の主な探し方は「ポータルサイトを利用する」「不動産会社や物件情報を取り扱う会社に相談する」「情報誌や広告を確認する」3つです。

上記のような手段を通して中古マンションを選ぶとき、事前に抑えておくべき基礎知識について解説します。

 

2-1.実際に物件を見に行く

マンションは写真や図面だけでは把握しきれない部分もあります。

たとえば室内の日当たりや風通し、設備の状態、共用スペースの清掃状態、住民の雰囲気などです。

実際に物件を見に行き、空室の部屋や共用部分を確認すれば、より正確な情報を得られるでしょう。

また、中古マンションは経年劣化が進行している場合もあるので、内見時は入念にチェックする必要があります。

すでに入居者がいる場合、家賃の回収状況やクレーム対応などトラブルの有無も調べておくことも重要です。

2-2.設備の修繕状態を確認する

最近リフォームをしたのはいつか、メンテナンスは何を定期的に行っているか、大規模修繕は実施しているかなど、設備の修繕状態も確認するようにしましょう。

定期的に点検や修繕が実施されているかどうかによって、同じ築年数でもマンションの状態は異なります。

設備ごとの耐用年数を確認すれば、今後必要な修繕や取替時期の目安が把握できるので、どのような設備があるのか調査することをおすすめします。

また、長期修繕計画の有無、進捗状況を事前に確認することも大切です。

2-3.利回りの高さに惑わされない

利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があります。

表面利回りとは、物件の購入価格に対する年間の家賃収入の割合を表した数値です。

一方、実質利回りとは物件の購入価格と購入時の諸経費を足した額に対して、年間の家賃収入から諸経費を差し引いた額の割合を表した数値なので、表面利回りより正確な利回りが算出できます。

物件情報には表面利回りを取り上げているケースもありますが、ランニングコストがかかるので、実際の利回りは表面利回りで求めた数値を下回るでしょう。          

特に中古マンションの場合、運用中の修繕費や家賃下落などで想定よりも利回りが低くなる可能性もあります。

そのため、手間はかかりますが、実際の入居率や現状の家賃、運用費用などを計算し、実質利回りを算出することが重要です。

なお、賃貸経営の利回りの詳しい知識は、以下の記事で解説しています。

 

>>関連記事:賃貸経営と不動産投資の「利回り」について

2-4.周辺環境をチェックする

立地や周辺の人口によって賃貸需要は異なり、物件の資産価値にも影響するので、周辺環境は必ずチェックするようにしましょう。

マンションの間取りが周辺の需要に適しているかも確認が必要です。

また、物件購入時の環境だけでなく、今後賃貸需要の増加が見込まれる地域かも考慮して検討することが、成功するためのポイントといえます。

2-5.物件情報はこまめに確認する

良い物件と巡り合うにはタイミングも重要なので、物件情報はこまめに確認しなければなりません。

中古マンションの情報は新築マンションに比べて、大々的に宣伝していないケースもあるので、複数の情報源を持つと情報取集の間口が広がり、優良物件を見つけやすくなるでしょう。

 
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3.不動産経営には避けたほうが良い中古マンションの特徴


マンション経営やアパート経営では物件選びが何より重要なポイントです。

避けたほうが良い中古マンションの特徴を以下に解説します。

 

3-1.耐震性や構造に問題がある

耐震性や構造に問題があるマンションは、入居者を集めにくいうえ、災害時に大きな損害を受ける可能性があります。

特に耐震基準は19816月以前と以降で「旧耐震基準」「新耐震基準」に分かれることを覚えておきましょう。

1981年6月以前に建てられたマンションの場合、現行の耐震基準を満たしていない可能性があるので注意しなければなりません。

一方、耐震性に関する規定が従来よりも厳格化された「新耐震基準」によって建築されたマンションは、地震に強い構造になっているので比較的安心できます。

ただし、旧耐震基準で建てられたマンションであっても、耐震補強工事によって耐震性を大幅に強化している場合もあるので、過去の工事の実績などを確認することが大切です。

なお、住宅・建築物の耐震化については国土交通省のホームページ上の解説を参考にしてください。

 

【参考】 「住宅・建築物の耐震化について」 (国土交通省)

3-2.周辺の需要に間取りが適していない

マンションの間取りが周辺のニーズを満たしていない物件も、あまりおすすめできません。

たとえば単身者の多い地域にファミリータイプの間取り、ベッドタウンに単身者向けの間取りの物件で入居者募集をしても、入居者は集まりにくいでしょう。
 

周辺の需要に適していない場合、リフォームやリノベーションなどの空室対策が必要になるケースもあり、新たにお金がかかってしまいます。

購入前に直近の入居状況や、過去の空室具合を確認し、判断材料のひとつにすると良いでしょう。

3-3.事故物件に該当する部屋がある

事故物件とは火事や事故、殺人、孤独死などの理由によって居室内で人が亡くなったことがある物件です。

特定の死因については、新たに入居する人や物件を最終的に売る際に告知対応する義務があるので、入居募集時や物件売却時に大きな影響を及ぼします。

事故物件は相場より安価に購入しやすいメリットもありますが、過去に起きた出来事を理由に敬遠され、入居者が集まりにくくなるリスクがあることを踏まえたうえで、慎重に判断する必要があります。

なお、事故物件の告知義務は以下のガイドラインを参考にしてください。

 

【参考】 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン (国土交通省)

3-4.運用後の売却が難しい立地にある

人口が減少傾向にある地域や駅から遠い場所などは、物件の買い手が見つかりにくい傾向があります。

購入後に売却をしようとしても、希望価格で売却できない可能性もあるでしょう。

マンション経営で出口戦略を重視したいのなら、特に注意すべきポイントです。

また、物件購入時だけでなく、将来的に資産価値が下落するリスクがないかどうかの見極めも重要といえます。

4.中古マンションの賃貸経営は物件選びが重要


中古マンションの賃貸経営は、利回りが高く安定収入になりやすいほか、税金対策、資産形成の手段としても有効です。

ただし、中古マンションを購入する場合、物件選びが非常に重要といえます。

新築より価格が安く購入しやすいメリットがありますが、物件によっては家賃下落のタイミングが早く到来したり、修繕費用などの支出が多くかかったり、リスクも少なくありません。

そのため、物件の選び方のコツや見るべきポイント、失敗例や成功例などをよくチェックして、慎重に判断することが大切です。

もし賃貸経営について不安な点やわからない点がある方は、信頼できる不動産業者や不動産管理会社、不動産投資会社などへアドバイスを求めることもおすすめします。

■監修者プロフィール

宅地建物取引士/FP2級
伊野 文明

宅地建物取引士・FP2級の知識を活かし、不動産専門ライターとして活動。賃貸経営・土地活用に関する記事執筆・監修を多数手掛けている。ビル管理会社で長期の勤務経験があるため、建物の設備・清掃に関する知識も豊富。

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級
・建築物環境衛生管理技術者